事業について
Kyotokuの仕事
鋼は、製鋼所で圧延されたままの状態では、表面の酸化皮膜や目に見えない微細な欠陥、あるいは寸法精度、真直性などの問題によって、そのままでは用途が限られてきます。
また圧延ではその生産性の為に、多様な寸法要求に対し細かく対応することが出来ません。
そこで生まれたのがミガキ棒鋼です。
日本のミガキ棒鋼は、明治45年ころ生駒山の麓、大阪・枚岡地区において、生駒山系から流れる豊富な水力を利用して水車動力によって生産が始められました。
金属を加工する方法はいろいろとありますが、ミガキ棒鋼はそのなかの塑性加工を主な加工方法とします。
塑性加工とは、金属が持つ性質のひとつである可塑性、即ち適切な荷重を加えると破壊することなく永久的に変形する性質を利用して金属を加工する技術で、2つの主たる目的があります。
1.金属を最善の方法で所定の形状にする。
2.金属の性質を改善する。
形状と性質の様々な組み合わせのうちの最も適切な組み合わせを求める過程の中で、加工方法も改良され発展してきました。
Kyotoku の加工方法は塑性加工のなかでも、冷間加工※と呼ばれ、金属を加熱せず常温のままで加工する方法です。
※冷間加工とは
塑性加工を行う場合、加熱して高温で行う方(熱間加工)が変形も容易で、比較的小さい動力で大きく変形させることが可能です。
しかも粗大な結晶粒を微細化して機械的性質を改善することが出来ます。
しかしながら薄い板や細い線などのように冷え易いものは加工が困難であったり、それ以外にも製品の表面に酸化皮膜(スケール)が生成され荒い面になったり、加工中あるいは加工後の温度分布が不均一になって、形状、寸法の精度が期待できないという欠点があります。
熱間圧延や鍛造等がその代表的な例です。
それに反し冷間加工は変形には比較的大きな力を必要としますが、寸法・形状の精度は良好で、加工を加えられることによって鋼が硬化し強い性質が得られ、さらに酸化皮膜・脱炭もなく平滑な表面を確保できるという大きな利点があります。
熱間加工は加工の際に硬化現象がまったく起こらない再結晶温度以上で行う加工方法をいい、冷間加工は加工にともなって硬化現象を起こす再結晶温度以下で行う加工方法だということが出来ます。